これからの国試に必要なこと

第105回 薬剤師国家試験の受験を終えた学生さんに感想を聞くと、当日は問題が難化したことに焦りを感じたようです。

一昔前までは、全国模試(薬学ゼミナールさん)と国家試験の難易度は、全国模試のほうが難易度が高く、全国模試で225点を取れることは1つの安心材料となりました

しかし今年は、「全国模試と国家試験の難易度が変わらない」という感想がほとんどで、「国試のほうが難しい」という意見もあるほどです。

このことからも、今年の国家試験が難化したのが、明らかに分かります。

近年の国家試験の出題傾向は、問題が複合的に問われることが1つの特徴となっています。

このため、問題を解くために「それぞれの科目」の「知識」が必要となり、科目ごとの極端な勉強の偏りでは問題を解きにくく、選択肢が絞れない傾向にあります

有機と薬理、有機と生化、生化と薬理などが複合的に出題されることは、イメージしやすいかと思いますが、今年の国試で注目したいのはNMRの問題です。

今年のNMRの問題は、スペクトルのみで構造解析をさせるのではなく、加水分解で消失するシグナルを考慮し、該当する化合物を選択する問題でした。

そのため、この問題では有機化学の加水分解反応に関する知識も必要になります。



また、加水分解反応自体もとても大切な反応で、近年では医薬品が「どの部分で加水分解されるか」という問題も頻出されており、大学によっては卒業試験の薬理学で出題されることもあります

このように、お互いがお互いの問題を解くために、それぞれの科目の知識とその繋がりを大切にすることが必要です

今年は、受験生から「どの科目の問題を解いているのか分かりにくかった」と聞くことがあり、これも科目間の繋がりによって、科目の壁が無くなってきたことの特徴だと思います。

特に4年制では、科目の仕切りがはっきりとしており(問〇~問〇までは有機化学)、1つの項目(置換反応なら置換のみ)で大問が作成され、正誤を問う内容で大部分が出題されていました。

10年前は、まだ4年制の国家試験でした。

この10年間で4年制→6年制となり、同時に国家試験も出題傾向が大きく変化し、難化しました。

大切なことは、10年単位で振り返れば、国家試験は大きく変化したのは間違いありません。

しかし、1年単位でみると毎年少しずつ少しずつ変化することで、10年単位では大きく変化したことになります。

新6年生の皆さんにお勧めしたいのが、「国試の変化」を実感するうえでも、国試の過去問を解くことです!

国家試験には「流れ」があります。

1年単位の少しの変化と「流れ」を読み取ることが、合格への大きな1歩となります。

3月24日に薬剤師国家試験の合格発表がありますが、その際に厚生労働省のホームページでPDF形式で問題が掲載されます。

現在、コロナ感染症で大変な状況ですが、1年後の国試に向けて時間があるときに105回の問題も是非解いてください!

薬剤師国家試験も難化しましたが、現役のうちにしっかりと頑張ることができれば、その国家試験の壁も乗り越えることができます!